奥に近づく。前を塞ぐように現れたスパイダー集団が、俺たちを囲むように展開する。あ、これ。糸くるやつだ―― 光の障壁。 直後、無数の蜘蛛の糸が噴射され、迫ってきた。しかしそれらは見えない壁に防がれ、へばりついた。同時に糸を張ることで、素早く網状に標的を拘束しようとしたのだろうが……残念だったな。 「糸を繋げたのが失敗だったな」 炎よ、伝われ――障壁にくっついた糸を伝って炎が走る。糸が繋がっているジャイアントスパイダーにたちまち炎が燃え広がり、焼き蜘蛛が出来上がる。 「ジン! 大物だ!」 ベルさんの声。見れば、ジャイアントスパイダーの、三倍以上の大きさの蜘蛛の化け物がゆらりと影から現れ、俺たちを見下ろした。メスの蜘蛛はオスより大きいのは知ってるが、大き過ぎだろうこれは!? ![](https://img.altema.jp/houkaistarrail/kakudaiyou/syuzinkou02.jpg)