「あれさ、コボルトたちが自作していると思っていたんだけど、どうも違うようなんだ。以前回収して、使い物になるようにバラして作り直したんだけど、大半が拾い物みたいでな。つまり冒険者たちがダンジョンに入って、捨てたり、あるいは死んで置き去りになった武器をコボルトが拾って使っている……」 その推測を後押しするのは、コバルト金属以外で構成される武具の素材だ。木製のパーツだったり、骨の飾りだったり、小さな魔石だったり……これらがあまりに統一性がなかった。どこからどう見ても、兵士御用達の剣が原型だろうというのも混じっていた。 「なるほどねぇ」 ベルさんが頷いた。 「で、コボルトをどうするつもりだ? まさか捕まえて、飼いならそうって魂胆か?」 「話が通じるなら、それもありだが、世話をするのは面倒だと思うんだ。それにコボルトを飼うなんて、絶対話題になるだろうね」 「じゃあ、どうするんだ?」 ![](https://img.altema.jp/houkaistarrail/kakudaiyou/syuzinkou02.jpg)